名刺で使える会社名・法人名の英語表記一覧&使い分けのポイント
会社名・法人名の英語表記一覧&使い分けのポイント
近年、名刺やwebサイトに自社名を英語表記する機会・ケースが増えていますが、株式会社の英語表記が何種類もあったり、日本独自の企業形態で特定の英訳がなかったり、どう表記するのが適切なのか戸惑う方も、少なくないようです。
結論からいえば、適切な英語表記は、あなたの会社の規模や形態、方針などで変わります。
そのため、ここでは適切な英語表記が選択できるように、名刺等で記載する会社名・法人名の一般的な英語表記と共に、意味の違いや使い分けのポイントなどをご紹介いたします。
会社名・組織名の英語表記一覧
法人組織名 | 英語表記 |
---|---|
株式会社 (株) |
・Co., Ltd.(※Company Limitedの略) ・Co. Ltd.(※Company Limitedの略) ・Ltd.(※Limitedの略) ・Inc.(※Incorporatedの略) ・Corp.(※Corprationの略) ※各表記の意味や使い分けのポイントはこちら をご覧ください。 |
有限会社 (有) |
・Co., Ltd.(※Company Limitedの略) ・Co. Ltd.(※Company Limitedの略) ・Ltd.(※Limitedの略) ・Inc.(※Incorporatedの略) ・Corp.(※Corprationの略) ※英語表記は株式会社と同じです。 ※各表記の意味や使い分けのポイントはこちら をご覧ください。 |
合資会社 (資) |
・limited partnership company(※「Company」は省略可) |
合名会社 (名) |
・General Partnership Company(※「Company」は省略可) ・Unlimited Partnership Company(※「Company」は省略可) |
合同会社 (同) |
・LLC.(※Limited Liability Companyの略) |
医療法人 (医) |
・healthcare corporation ・medical corporation |
社団法人 (社) |
・association(※規定なし) ※英訳では「(general / Public Interest) incorporated association」等になりますが、社団法人の名刺等で英語表記する場合は「○○ association」と省略したり、独自の表記を行うケースが多いようです。 |
財団法人 (財) |
・foundation(※規定なし) ※英訳では「(general / Public Interest) incorporated foundation」等になりますが、財団法人の名刺等で英語表記する場合は「○○ foundation」と省略したり、独自の表記を行うケースが多いようです。 |
宗教法人 (宗) |
・(※規定なし/一般的に表記を省略) ※英訳では「religious corporation」や「ecclesiastical corporation」「religious institution」などがありますが、宗教法人の名刺等で英語表記する場合は、「宗教法人」部分を省略し、固有名詞のみ表記するケースが多いようです。 |
学校法人 (学) |
・(※規定なし/個別に確認) ※英訳では「Educational Corporation」や「School Corporation」「School Institution」などがありますが、学校法人の名刺等で英語表記する場合は、「学校法人」部分を省略して「固有名詞+School」とするなど、独自に規定している学校が多いようです。 |
社会福祉法人 (福) |
・social welfare corporation(※規定なし) ・social welfare juridical person(※規定なし) ※社会福祉法人の法人格を示す英語表記も規定がありませんが、英訳では上記のようになるため、名刺等の実用上の表記は、英訳の前後に固有名詞を入れるケースが多いようです。 |
特定非営利活動法人 =NPO法人 (特非) |
・Specified Nonprofit Corporation(※NPO法人) ・Approved Specified Nonprofit Corporation(※認定NPO法人) ※英訳については様々な表記の仕方があり、特に規定はありません。上記は「NPO法人である」ことを示したい場合の例です。 |
独立行政法人 (独) |
・(※規定なし/個別に確認) ※英訳では「incorporated administrative agency」などがありますが、所属団体の担当部課にご確認ください。 |
大学法人 (大) |
・University(※注) ※英訳では「(National / Public)University Corporation」などがありますが、大学法人の名刺等で英語表記する際は、「○○ University」と省略するのが一般的です。 ※大学は組織の英語表記を規定している事が殆どですので、担当部課にご確認ください。 |
英語表記に共通するルールやマナー
日本語表記での前株や後株の扱い
日本の会社名には、前株(株式会社○○)や後株(○○株式会社)がありますが、英語表記する場合は、必ず「社名の後ろ」につけるのがルールです。
英語表記中の「.」について
「.」(ピリオド)は省略形であることを意味します。従って、省略せずに表記しても構いません。
例)「Corp.」→「Corpration」など。
英語表記中の「,」について
「,」(カンマ)は付けなくても構いません。むしろ海外の企業では付けないことが多く、近年は日本でも付けない会社が増えているそうです。
英語表記での法人登記について
2018年3月時点の日本における現行法では、定款で英語表記に関する定めを行ったり、海外事業や取引、webサイト等で英語表記を使用することは可能ですが、全てローマ字となる英文表記で法人登記を行うことは認めていません。(必ず商号中に「○○株式会社」や「○○合同会社」といった日本語表記が必要になります)
会社名の英語表記の意味・使い分けのポイント
英語表記で最も戸惑われるポイントは、表記方法が多岐に渡る「株式会社」だと思います。
それぞれの表記の意味、使用上の注意点をご紹介しますので、自社に最も適切な英文表記がどれか、判断・選択の材料にして頂ければと思います。
Co., Ltd.
・「Co., Ltd.」は「Company Limited」の省略形です。
・読み上げる際は、略さずに「カンパニー・リミテッド」と読みます。
・日本の株式会社や、アジア系の企業の多くが使用する表記方法です。
・単純な「Company(会社=事業体)」に「Limited(有限)」を加えることで、有限責任の会社=株式会社であることを意味する表記となっています。
※「C」と「L」は必ず大文字にする必要があります。
※全て大文字(CO., LTD.)でも問題ありません。
※「Co.,」と「Ltd.」の間に半角スペースを空けるのが正しい使い方です。
※日本では伝統的に「Co.」のピリオドの後ろに「,」(カンマ)を入れますが、付けなくても問題ありません。
(欧米では「,」を付ける国は少なく、日本でも近年減少しているようです。
Co. Ltd.
・「Co. Ltd.」は「Company Limited」の省略形です。
・読み上げる際は、略さずに「カンパニー・リミテッド」と読みます。
・「Co., Ltd.」から「,」を省いた形ですが、欧米ではこちらの方が主流の表記方法となります。
・意味は前述の「Co., Ltd.」と同じで、有限責任の会社=株式会社であることを意味する表記です。
※「C」と「L」は必ず大文字にする必要があります。
※全て大文字(CO. LTD.)でも問題ありません。
※「Co.」と「Ltd.」の間に半角スペースを空けるのが正しい使い方です。
Ltd.
・「Ltd.」は「Limited」の省略形です。
・読み上げる際は、略さずに「リミテッド」と読みます。
・イギリスでもアメリカでも使用されますが、イギリスでは登記上必須(「Limited」を入れなければならない)のに対して、アメリカでは「Inc.」よりも比較的小さい(株主が限定される)事業体に使われる事が多いようです。
・「Co. Ltd.」と同様に、有限責任の会社であることを意味する表記です。
※「L」は必ず大文字にする必要があります。
※全て大文字(LTD.)でも問題ありません。
※イギリスで登記申請を行う場合は必ず入れる表記になります。
Inc.
・「Inc.」は「Incorporated」の省略形です。
・読み上げる際は、「インク」または「インコーポレーテッド」と読みます。
・登記済みの法人というシンプルな意味で、アメリカで多く使用される一般的な表記です。
※「I」は必ず大文字にする必要があります。
※全て大文字(INC.)でも問題ありません。
※「Inc.」の前にカンマを使用した「,Inc.」という表記もありますが、アメリカでは比較的少なく、カンマを付けないのが一般的です。
※「Inc.」の前にカンマを使用する場合は、必ず「, Inc.」と半角スペースを空けるようにします。
Corp.
・「Corp.」は「Corporation」の省略形です。
・読み上げる際は、略さずに「コーポレーション」と読みます。
・すべて大文字表記した上で、略さずに「CORPORATION」と表記するのも人気があるようです。
・前述の「Incorporated」とほぼ同じ意味合いですが、より幅広いニュアンスを含むことから、相手の国・文化によっては比較的少人数・小規模の会社という印象を与える可能性もあります。
・「法的な手続きを完了し、法人格をもって取引のできる事業体」を意味する表記です。
Co.
・「Co.」は「Company」の省略形です。
・読み上げる際は、略さずに「カンパニー」と読みます。
・元々「共にパンを食べる人」=「仲間」を語源とする言葉で、有限責任である意味などは含まず、単純な「共同体(事業体)」を意味する表記です。
& Co.
・「& Co.」は「& Company」の省略形です。
・読み上げる際は、略さずに「アンド・カンパニー」と読みます。
・「Company」の前に「& 」を付けた形ですが、この場合は必ず前に「人名」が付きます。
例)「Tiffany & Co.」→ 「ティファニー・アンド・カンパニー」が有名ですね。
・有限責任や株式会社といった意味を含まず、単純な共同体・事業体であることを意味する表記です。
まとめ
日本の法人登記は、「株式会社」などの会社形態を示す法人名は必ず漢字で表記する事になっていて、全てローマ字というのは認められていません。(2018年3月時点)
ただし、グローバル化で英文表記・英語表記を行う機会が増えている昨今、定款で英文表記を定める会社も増えていますし、株式会社なら「Co., Ltd.」の他に「Inc.」や「Corp.」といった表記もあるため、自社の方針や事業内容に合った適切な英語表記はどれか考えておく重要性も、日に日に増しています。
定款で定める場合はもちろん、名刺やwebサイトで適切な英語表記を行う際の、参考にしてみてはいかがでしょうか。
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