名刺等で住所・電話を英語表記する具体例と5つのルール

住所・電話の英語表記|5つのルールと具体例

英語表記の名刺のイメージ画像です

昨今は名刺デザインや英文メールの署名欄など、住所を英語表記する機会が身近になりましたが、当然はじめての場合は「英語で住所?習ってないよ!」「この『郡』や『丁目』はどう書くの!?」と焦る方は多いと思います。

今回は、名刺等ですぐ使える、日本の住所・電話番号を英語表記する場合の5つのルールと具体的な書き方をご紹介します。

5つのルールとは?

結論から先にいうと、5つのルールとは、次の通りです。

  1. 住所は狭い地域から順に国名まで記載する
  2. 英訳せず日本語の読み方でローマ字にする
  3. 地域名の頭文字は全て大文字にする
  4. ハイフン(-)とカンマ(,)で読みやすくする
  5. 電話番号は最初の0を消して+をつける

1.住所は狭い地域から順に国名まで記載する

日本の住所は、郵便番号から始まり都道府県・市町村と広い範囲名から順に記載しますが、英語では逆に、番地や建物・部屋番号など狭い範囲(名称)から書きます。

  • 日本語で書く場合
    郵便番号 > 都道府県 > 市区群( > 町村) > 町丁目 > 番地 > 建物名+部屋番号
  • 英語で書く場合
    部屋番号+建物名 > 番地 > 町丁目 > 市区群( > 町村) > 都道府県 > 郵便番号 > 国
  • 「部屋番号+建物名」は「建物名+部屋番号」の場合もあります。
  • さらに国名も記載するのが重要なポイントです。
  • 海外で使用したり、外国人に渡すことがない名刺など、あくまでデザインとしての英語表記なら国名は無くても構いません。
    ただし、国際郵便等では、必ず国名を英語で記載する必要があります。

2.英訳せず日本語の読み方でローマ字にする

英語表記と聞くと思わず身構えてしまうのは、「英訳」が頭をよぎるからだと思います。
でも、住所の英語表記に英訳は不要で、固有名のままローマ字にすればOKです。

なお、国が定めた正式ルール(厳密な規定)というのはありませんので、実際には「配達員が分かるような書き方(読みやすい書き方)であれば良い」という程度に考えるのがポイントです。このように理解しておけば、英語表記は何も難しくありません。

  • 英訳すると全て誤りになる訳ではありません。
    行政区分名は、英訳した形や省略した形で表記されていることもあります。
    ただ、実用面を考慮すると、
    深く考えず読み方のままローマ字でOKです。

例)市 → shi
例)郡 → gun
例)東 → Higashi

  • 自治体によっては、英語表記に関してガイドラインを定めている場合があります。
    郵便物であれば余り気にしなくて良いと思いますが、ビジネス文書や公的資料中で明記するような場合は、ガイドラインがないか自治体に確認した方が良いかも知れません。

3.地域名の頭文字は全て大文字にする

都道府県名や市区郡町村名など、固有名の頭文字は行政区分ごとに全て大文字で表記します。

4.ハイフン(-)とカンマ(,)で読みやすくする

固有名と行政区分名の間や、固有名の前に東西南北などの接頭語が付く場合、nの後に母音があり続けて書くと読みが変化する地名など、ハイフン(-)は読み難さや読み違いの防止・緩和に使用します。

また、都道府県や市区郡町村の前後など、カンマ(,)は行政区画・固有名の区切り等を明確にする際に使用します。

  • いずれも、必須ではありません。
    例えば行政区分名の前後はスペース、固有名が長く読みにくいものにハイフン、丁目+番地あるいは建物名+部屋番号など2語以上で「1つのカタマリ」であることを示す場合はカンマ、といった使い方もあります。
    また、改行することで区切り・見た目を整理することも出来ます。改行箇所にはカンマは不要です。

5.電話番号は最初の0を消して+81をつける

電話番号の英語表記に関しては、国際電話を考慮した表記が一般的です。
したがって、市外局番および携帯電話の最初の「0」を削除し、日本の国際番号である「+81」を追加します。

例)073-425-1346
+81 73-425-1346


例)090-1234-5678
+81 90-1234-5678

具体的な英語表記の仕方

5つのルールでも触れましたが、日本の住所を英語表記する際の最大のポイントは、「英訳する必要はなく、配達員が確実に分かる書き方なら問題ない」といった程度に考えることです。

下記は、前述の5つのルールに基づいた、とてもシンプルなパターンで、東京都庁の住所・電話番号を英語表記にしたものです。

ただ、日本語の住所表記はこのようなシンプルなものばかりではありません。
例えば、私書箱がある場合、郡や離島の場合、建物名が外来語の場合、「様方」が付く場合、等々の英語表記でお悩みの方もいるかと思いますので、ここからは、日本語の住所表記をまず例を挙げ、それぞれの英語表記の項目別に説明します。


国名

  • いきなり注意次項ですが、名刺等で英語表記する際は国名も表記します。
  • 日本の住所ならもちろん、JapanまたはJAPANです。
  • 普段なじみのない項目なので、忘れないように注意しましょう。

郵便番号

  • 数字はそのままで大丈夫です。
  • 郵便マークは日本独自のモノなので、英語表記では「〒」は不要です。

都道府県

厳格な定めは無く、基本的には固有名をローマ字にすればOKです。
一応、都道府県別に補足しておきましょう。

「東京都」は、「Tokyo」と表記し「都」は示しません。

  • 「都」は「住所の表記」では付けないのが一般的です。
  • 英文書等で地域名を記載する時は「Tokyo Metropolice」といった表現は使われます。

「北海道」は、「Hokkaido」と「道」も固有名に含んだ形で表記します。

  • 「道」は実際的に固有名の一部として使われる(「北海」とは言わない)ため、表記も「-」は入れません。

「大阪府/京都府」は、「大阪市/京都市」のように固有名が重複する住所があるため、大きく次の3つのケースがあります。

  • 大阪市/京都市以外でそのまま
    例)Osaka/Kyoto(そのまま)
  • 大阪市/京都市で、「大阪府/京都府」を省略するケース
    例)Osaka/Kyoto(これだけで「大阪市/京都市」を示す)
  • 大阪市/京都市で、混同を防ぐため行政区分を一緒に記載する
    例)Osaka-fu/Kyoto-fu(あまり多くないと思います)

県は、次の3つの書き方がありますが、固有名のみ表記するか、そのままローマ字読みで付記するのが一般的です。

例)神奈川県の場合

  • Kanagawa
  • Kanagawa-ken
  • Kanagawa Pref.(※「Prefecture」の略)
  • 札幌市などの広く認知されている政令指定都市は、必ずしも都道府県を表記する必要はありません。
  • 行政区分名の全般に対して言えることですが、文書や口頭の説明において、住所ではなく、対象地域として呼称する場合には、「Kanagawa Prefecture」のように、行政区分も英訳にした方が親切かも知れません。

市区郡

市は、次の3つの書き方がありますが、日本語の読み方のままローマ字にするのが一般的です。

例)名古屋市の場合

  • Nagoya
  • Nagoya-shi
  • Nagoya City
  • 前後に重複する固有名がある場合は、特に行政区分を記載した方が安全です。

区は、次の3つの書き方がありますが、日本語の読み方のままローマ字にするのが一般的です。

例)千代田区の場合

  • Chiyoda
  • Chiyoda-ku
  • Chiyoda Ward

郡は、次の3つの書き方がありますが、日本語の読み方のままローマ字にするのが一般的です。

例)西多摩郡の場合

  • Nishitama-gun
  • Nishitama-County
  • Nishitama district

離島の住所に多い「○○島」は、日本語の読み方のままローマ字にするのが一般的です。

例)三宅島の場合

  • Miyakejima
  • Miyake-jima

町村

町は、「まち」・「ちょう」と2つの読み方がありますが、日本語の読み方のままローマ字にするのが一般的です。

例)奥多摩町の場合
Okutama-machi


例)永田町の場合
Nagata-cho


  • 「~町」まで含めて固有名と認識されているような場合は、「-」を入れない方が読みやすいかと思います。

村も、日本語の読み方のままローマ字にするのが一般的です。

例)三宅村の場合

  • Miyakemura
  • Miyake-mura

丁目・番地

丁目や番地に関しては、日本語でも表記の仕方が多岐に渡るので、一見すると複雑そうに感じますが、難しく考える必要はありません。

配達員が確実に分かる書き方という考え方に従って、丁目以降の番地部分は1つのカタマリにして、漢字を「-(ハイフン)」に置き換えたシンプルな表記(=簡略化)が一般的です。

例)「名刺1ー2-3」の場合
1-2-3, Meishi


例)「名刺1丁目2-3」の場合

  • 1-2-3, Meishi
  • 2-3, meishi 1-chome
  • 2-3, 1-chome, Meishi

例)「名刺1丁目2番3号」の場合

  • 1-2-3, Meishi
  • 2-3, meishi 1-chome
  • 2-3, 1-chome, Meishi

例)「名刺1丁目2番地3」の場合

  • 1-2-3, Meishi
  • 2-3, meishi 1-chome
  • 2-3, 1-chome, Meishi

例)「名刺1番地2」の場合
1-2, Meishi

  • なお、県市区等と同様に「-chome」や「banchi」とローマ字にしても誤りではありません。
    ただ「1-gou,1-ban,1-chome」のような書き方は、配達員の読みにくさや混乱・誤配の原因になりかねませんので、避けたほうが安全です。

条・通り

札幌市や京都市で見られる「条」は使われ方が違うため表記の仕方も異なる点に注意です。
なお「通(○○通り)」は読み方のままローマ字(○○-dori)が一般的です。

京都の「五条大橋」のように、住所中の「条」が固有名の一部になっている場合は、熟語をそのままローマ字にするのが一般的です。

例)五条大橋

  • GojoOhashi
  • Gojo-Ohashi

例)四条河原町

  • Shijokawaramachi
  • Shijo-kawaramachi
  • Shijokawara-machi

数字ではなく固有名詞の一部と捉えているのがポイント。
その前後については「読みやすいように」すれば細部の表記は厳しく考えずOK。

札幌市の「北1条西」のように、住所の区画を示す数字が主であり、条はその単位という側面が強い場合、数字+ローマ字と明確に区切るのが一般的です。

例)北1条西

  • Kita 1-jo-Nishi
  • Kita-1-jo-Nishi

建物名・階数・部屋番号

ビルなどの建物名、階数がある時は、次の書き方があります。

例)西新宿2-8-1 第一本庁舎45階

  • 45F TMG No.1 Building
    2-8-1 Nishi-Shinjuku
  • TMG No.1 Building 45F
    2-8-1 Nishi-Shinjuku

例)吹屋町5丁目54 西岡ビル3階

  • 3F Nishioka Bldg
    5-54 Fukiya-cho
  • Nishioka Bldg 3F
    5-54 Fukiya-cho
  • 3F, 5-54 Fukiya-cho

  • 階数と建物名の記載順・前後については、どちらが先でもOKです。
  • 建物名の省略も可能ですが、その際は必ず階数を示す「F」を付けます。

マンション名、部屋番号がある時は、次の3つの書き方があります。

例)吹屋町5丁目54 西岡マンション201号室

  • #201 Nishioka-manshon
    5-54 Fukiya-cho
  • #201 Nishioka
    5-54 Fukiya-cho
  • #201,5-54 Fukiya-cho

  • 部屋番号とマンション等の記載順・前後はどちらでもOKです。
  • 建物名の省略も可能ですが、その際は必ず部屋番号を示す「#」を付けます。

建物名の補足

建物名は、元々英語表記の場合や、英語以外の外国語表記、外国語が語源のカタカナ表記など、様々なケースがあります。
「迷う場合は省略でOK」ですが、その上で一般的な表記方法も紹介しておきます。

元々英語表記の場合は、そのまま表記でもOK。

例)WestGarden
・west Garden

英語以外の外国語表記の場合は、読みの音に従ってローマ字に直す。

例)Étoile(フランス語:エトワール)→ etowaru
例)ovest(イタリア語:オーヴェスト)→ ovesuto
例)Hügel(ドイツ語:ヒューゲル)→ hyugeru

外国語が語源のカタカナ表記は、語源となる単語のスペルに直すのではなく、読みの音に従ってローマ字に直す。

例)ハロー・サイン・アスリートハイツ
× Hellow sign athlete heights (×:語源となる単語のスペルにする)
○ haro-sain-asuriito-haitu (○:読みの音のままローマ字にする)

例)シャルム
× Charme (×:語源となる単語のスペルにする)
○ sharumu (○:読みの音のままローマ字にする)

  • 重要なのは、配達員が確実に分かる表記にすることです。
    馴染みのない単語や、読みが難しいスペルなら、特にローマ字にする方が安全です。

マンションやアパートなど、よく使われる建物の呼称を英語表記する場合

アパートapartment
マンションmansion
-so
コーポcorpo
ハイツheights
ハイムHeim(家という意味のドイツ語)
メゾンmaison(家という意味のフランス語)
ビルBldg.(Buildingの略/「.」は略の意味)
  • 前述の通り、省略したり、haitsu、mezon、とローマ字でもOKです。

私書箱

私書箱は、「PO Box ●●」または「POB ●●」と書きます。

例)私書箱554

  • POB 554
  • PO Box 554

※「POB」は「Post-Office-Box」の略です。


様方・気付

名刺では機会は少ないと思いますが、いわゆる「~様方」など、世帯主の姓が異なる住所は「C/O」+「世帯主名」を表記するのが一般的です。

例)西岡様方
C/O Nishioka

※「c/o」は「Care Of ~」略です。

名刺では機会は少ないですが、組織内の特定の部署や個人へ宛てる、いわゆる「気付」の代わりには「Attn(attention):」を使う表記もあります。

例)営業部〔気付〕
Attn: Sales Department

※「Attn」は「Attention」略です。

住所・電話番号の英語表記まとめ

住所や電話番号の英語表記を覚えると、英語の名刺を作る時はもちろんのこと、英文メールの署名欄や、海外の通販サイトの利用、国際郵便の利用等でも役に立ちます。

英語表記する際は、狭い地域から順に国名まで、英訳せず日本語の読み方でローマ字に、地域名の頭文字は大文字で、読みにくい場合はハイフン(-)やカンマ(,)を入れ、電話番号は最初の0を消して+81をつける、この5つのルールを守りましょう。

そして、迷った時の考え方のコツは、「正しく英訳すること」ではなく「きちんと荷物が届くこと(配達員が読んで分かりやすい書き方)」を意識することです。
是非、参考にしてください。

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